米国最大の仮想通貨取引所コインベースが、ビットコインのカストディ (資産管理)サービスを手がけるザポ(Xapo)買収に向けて交渉を開始している。The Blockが関係者の話として報じた。機関投資家のさらなる参入に対する機運が高まる中、カストディサービスの充実が大きな焦点になっているのかもしれない。

ザポは、香港を拠点に持ち2014年に設立。ビットコインのウォレットとビットコイン基盤のデビッドカード発行を手がけている。55億ドルほどの資産をカストディ管理していると伝えられている。ウィンクルボス兄弟のファンドやデジタル・カレンシー・グループなどが出資していることでも知られている。

カストディ・サービスとは、投資家のために証券を保護するほか、元利金・配当金の代理受領、運用資産の受渡し決済、運用成績の管理などを提供するサービス。高いセキュリティを求める機関投資家をさらなる呼び込む好材料と見られている。

コインベースは、ザポをめぐって米国の大手金融機関フィデリティ系列のフィデリティ・デジタル・アセッツと過去数週間競争しているという。

フィデリティの調査によると、米国の機関投資家の2割以上がすでに仮想通貨を保有している。

既報の通り、コインベース は、機関投資家向けのカストディ 「コインベース・カストディ」が預かる仮想通貨の総額が10億ドル(約1090億円)を超えたを明かしていた。

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