東京に拠点を置くeコマース企業、楽天がビットコイン決済サービスを提供するBitNetの知財アセットを必要としているようだ。

楽天は既にカリフォルニアに拠点を置く企業との交渉を始めており、BitNetの様々な知的財産購入を視野に入れているようだ。BitNetのブロックチェーンによるデジタル資産管理には、eコマース企業がより需要に合わせたサービスの調整が行えるような支払いやB2Bによるクロスボーダーな送金サービスが可能になるポテンシャルが秘められている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、楽天はBitNetのIPアセットを利用したブロックチェーン技術の開発とテストを行うようだ。これはつまり楽天がブロックチェーン研究開発により身を寄せることでBitNetがビットコイン決済サービスの業界から身を引く可能性を示唆しているということでもある。

現在まで楽天とBitNetどちらも今回の取引についてはコメントを控えている。

また、取引において話し合われた内容や、取引自体無くなる可能性もあるのかどうかについてもまだ音沙汰はない。

 

BitPayやBitNetなどの決済サービス企業が競合する難しさ

 

BitNet自体は主にeビジネスに合わせたサービスを提供してきているが、CoinbaseやBitPayなどの他の競合はBitNetと差別化が図れるようなサービスを提供するためにどのような加盟店でも歓迎している。デジタル資産管理のようなサービスがあれば、楽天はブロックチェーンベースのロイヤリティ・プログラムを実施することも可能だろう。それにより従来のポイントベースのプログラムよりも迅速でより安全なサービスを提供することができる。

楽天が2015年3月にBitNetのゲートウェイを利用したビットコイン決済の受付をアナウンスしてから、少しずつ株価が上がってきている。2014年当時の株式取得のためのシリーズAでの資金調達も含めてそういった影響は現れている。

より多くのビットコイン決済サービスが可能になってきている一方、業界における企業の成長率は落ち込んできているため、BitPayやBitNetなどの既存のサービスは既に競合する難しさを経験してきている。これは多くの企業が仮想通貨を決済のオプションとして利用するにはネガティブなニュースやボラティリティの問題などから不確実性が高いために起こっている問題だと思われる。また、オルトコイン決済サービスに関しても、CoinPaymentsなどが既に多くの加盟店により採用されており、ライバルであるビットコイン決済サービス企業が加盟店を失うリスクなども出てきている。