ノルウェーの検察官が、薬物の売人に対してビットコインで罰金を支払うよう求めている。ノルウェーでビットコインが実質的に合法化されたと見てもいいのだろうか。

背景

ノルウェーの捜査員たちは、世界中の犯罪取締局と協力しながら、郵便を介して薬物を売っていた地元の麻薬組織を捜査していた。2013年に米国の警察によって閉鎖され、現在は機能していないシルクロードと同麻薬組織が通じていたことがわかっている。ノルウェー警察は、2015年6月の事件で3人を逮捕したことで、大量の麻薬や何台かのコンピュータを証拠として押収した。

検察側の要求

検察側は、被告人に対し、10,000ノルウェー・クローネに相当する120BTCと310万ノルウェー・クローネをそれぞれ請求しており、ノルウェー政府は罰金の28%をビットコインで支払うよう求めたことになる。

ノルウェー政府がビットコインで支払いを要求した理由

ノルウェー政府が罰金の支払いをビットコインで求めたのは驚きだ。被告人たちは2015年6月に逮捕されたが、それ以後、ビットコインの価値は大幅に上昇している。つまり、現時点でそのドラッグ・ディーラーたちに対してビットコインでの支払いを求めるということは、2013年から2014年にかけて当時彼らが手に入れた値段よりも、課された罰金の額は実際には大幅に高額になっているということだ。犯罪捜査当局もまた、おとり捜査のためにビットコインを必要しているようだ。

ビットコインは事件のおかげで実質的に合法化されたと言えるのか?

今回の事件において、検察側はビットコインで罰金の支払いを求めたわけだが、ビットコインがこれで実際に合法化されたわけではないとしている。しかし、検察側の否認は重要ではない可能性がある。ノルウェーは欧州連合の加盟国ではない一方、欧州自由貿易協会の参加国で、EUはノルウェーにとって最重要の貿易相手だ。EUはビットコインの認識において大きな進歩を遂げてきている。2016年4月、Bitstampは、ルクセンブルクから正式に営業の認可を受け、ヨーロッパ初のライセンスを受けたビットコイン取引所として認められている。暗号通貨の世界的な流れを見れば、ノルウェーは孤立主義を貫くことは出来ないはずだ。