サイバーセキュリティの専門家であり、アンチウイルスソフト会社McAfeeの創設者、そしてMGT Capital Investments CEOでもある、ジョン・マカフィー氏が、ロシアは民主党全国委員会(以下DNC)に関与していないとの意向を示した。

FBIが発表した共同分析レポートによると、DNCをハッキングしたとされるサイバー犯罪者のグループは、ロシアとは異なる様々な場所からDNCのサーバーに侵入していたことがわかった。

実際、レポートに記載されていたIPアドレスの多くは、ロシア国外の世界中で追跡されている。追跡された様々なIPアドレスだけを見れば、ハッカー集団は居場所を偽装し、データから身元特定につながる可能性を避けたのだとマカフィー氏は語った。第三者機関がロシア政府に関連した問題を起こすために攻撃を仕掛けた可能性が高まっている。

マカフィー氏はラリー・キング氏とのインタビューの中で次のように答えている

 

「もし私が中国政府の人間で、ロシアからの攻撃のように見せかけたかったならば、コードの中ではロシア語を使用し、機関に侵入する際にはロシアの技術を使うでしょう。どのような攻撃に対しても簡単にソースを特定する術はありません」

 

アメリカ政府が本当に気がかりなもの

 

今回のハッキングがロシア政府によるものであるにしろ、インディペンデントなハッキング集団によるものであるにしろ、世界中からDNCに攻撃をしかけているため必然的にそれは重要ではないということになる。実際には、ITにおけるインフラの脆弱性や、政府が所有するプラットフォームにおける貧弱なセキュリティに対して対策を講じる方が急務だ。

昨今、アメリカ政府とその調査団は、ハッキングの裏にある事実のベールをはがすことだけに能力を割いており、DNCがそもそもどのようにしてハッキングされたのかということには時間をあまり割かず、将来的な似たようなタイプの攻撃に対して柔軟に対応する可能性などは考えていないようだ。

今回のDNCのハッキング事件のようなケースは、バックドアを仕掛けることが出来ない情報をしっかりと保管する分散型エコシステムへと転送されることで、効率的に処理される分散型技術の需要を押し高めることだろう。

いかなるタイプのデータであれ、中央サーバーへ依存することで、洗練されたハッカーの攻撃による被害や、データの漏えいなど、簡単に重要な情報が漏れてしまう可能性がある。

データバンクや金融機関のマニピュレーションによって巻き起こる様々な事例への対処法として、セキュアに取引を行うブロックチェーン技術を開発するところが増え始めている。