世界中の仮想通貨関係業者が集まり、金融活動作業部会(FATF)などの仮想通貨規制について対応を議論するV20サミットが28日、開幕し、FATF事務局が規制の技術的問題について未だ模索中であることを明らかにした。2日間の議論を経て電気通信や無線通信の国際的な標準化に寄与する国際電気通信連合(ITU)を模範とした新たな規制団体の設立合意を目指す。

午前のセッションにはFATF事務局のトム・ネイラン氏が登壇し、6月21日にFATFが発表したマネーロンダリング対策の「解釈ノートとガイダンス」について解説。解釈ノートの中で記載されている仕向・被仕向の仮想資産サービス事業者(VASP)に「正確な」情報を求めると規制していることについて、参加者が「規制によって免許制度や登録制度がない国への送金でピアツーピア(P2P)取引が増加するのではないか」と質問。トム・ネイラン氏は技術面での課題が多く残っていることを認めた。P2P取引が増加することの懸念について「仮想通貨業者が実際に運用を始めてみないとわからないことも多い」として、今後も注視していく意向を示した。

また「仮想通貨規制が産業に大きな貢献となるよう、グローバル、ローカルレベルの双方で議論していきたい」と規制側、事業側のバランスをとっていけるようチャレンジしていきたいと話した。

【関連記事:FATF解釈ノートで議論を呼ぶ7bを解説 仮想通貨サービス事業者に影響

V20は28、29日の2日間開催され、FATF関係者の他に国内外の政治家や仮想通貨取引所関係者が集まり議論する。最終日にはFATFに対し、全体のコンセンサスを表明する。V20関係者によると、コンセンサスでは各国間の規制の標準化を図る国際電気通信連合(ITU)のような国際専門機関の設立の合意を望んでいるという。

【関連記事:仮想通貨マネロン規制でFATFに”バランス取れた”解決策を要求へ V20がG20大阪サミットと同時開催