アメリカ次期大統領候補であるドナルド・トランプ氏は、世界経済に混乱を巻き起こすことを全く恐れていない人物だ。しかしその影響はどうやら基軸通貨だけに留まらず仮想通貨に関しても影響が出てくる可能性が示唆されている。特にビットコインに対してだ。

Juniper Researchの新たなレポートによれば、ドナルド・トランプ氏が次期大統領に選ばれる可能性に対する世界的な懸念と他の経済的懸念によりビットコインの価格がかつてない程に上昇する可能性が出てきているという。

 

トランプ氏が大統領になることによるポテンシャルリスクは、グローバルリスクのTOP10圏内に相当する

 

Juniper Researchの調査によると、ビットコインの総取引高は2016年の終わりまでには920億ドルを超えると見られている。

 

「もしドナルド・トランプ氏が大統領になれば、世界市場に大きな混乱が訪れるだろうという非常に現実的な見通しが存在します―エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは彼が大統領になること自体がグローバルリスクのTOP10入りするような出来事であると語っています。しかし、ビットコイン取引はそのような状況も乗り越えるでしょう、少なくとも主要な基軸通貨への影響が明確になるまでは」

 

ビットコインの価格が高騰する他の理由

 

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットはトランプ氏がアメリカ大統領に選ばれる可能性を高いグローバルリスクとして捉えているが、前アメリカ大統領候補のDarryl W. Perry氏はコインテレグラフに対し、同氏がアメリカにおけるビットコイン受け入れを提唱した初の大統領候補であり、トランプ氏が影響を及ぼすとは考えにくいと語っている。

 

Perry氏曰く―

 

「ヒラリー氏に比べればトランプ氏が市場に与える影響は絶大だという予測はあるようです。しかし私は大統領であれ、その他の正式な何かに選出された人であっても規制などが行われない限りビットコインの価格には影響しないだろうと考えています」

 

他の予想されるビットコイン価格高騰の原因としては、Brexitによる世界経済への不安、中国の弱体化した経済、そして来るビットコインの半減期などがあり、トランプ氏が次期大統領になったとしてもそれら三つの方がまだ影響が大きいだろうとPerry氏は考えているようだ。

 

米国ドルの需要低下―ビットコインのさらなる価格上昇

 

しかし、カナダ最大のウェブサイトStockhouseの創設者であり、世界で最も急成長している金融情報メディアで、まだビットコインが3ドル辺りの価格を付けていた2011年の頃から既にビットコインを表紙に飾るなどしていた最初の大手金融情報メディア、Dollar Vigilanteの創設者でもあるJeff Berwick氏はコインテレグラフに対し、ヒラリー氏が当選するだろうと氏の見解を述べた上で、トランプ氏が勝利するべきであって、トランプ氏の”保守的な政策”が実行されるのであれば米国ドルの需要に対してマイナスの影響が及ぼされるだろうと語っている―

 

「ドルの需要が低下すれば価格の下落に繋がるでしょうし、それによりビットコインを含む他全ての価格が相対的に上がることになるでしょう」