米国のブロックチェーン企業コア・サイエンティフィック(Core Scientific)が、中国のマイニング大手ビットメインと大型契約を結んだ。

北米地域においてマイニング事業が盛り上がりを見せる中、コア・サイエンティフィックは、ビットメインから1万7000台以上のS1アントマイナーを購入。自社のマイニング施設と北米地域の顧客向けに使うと発表した。同社がコインテレグラフジャパンに共有したプレスリリースの中で明かした。

マイクロソフトの元COO(最高執行責任者)で現在コア・サイエンティフィックのCEOを務めるケヴィン・ターナー氏によると、同社はすでにビットメインから最新のASICマイニング機器のテストを開始しており、「ハッシュレートを a 110 TH/s ± 3%まで増加させることに成功した」。

最近、北米地域とりわけテキサス州は多くのマイニング施設の誘致に成功している。

昨年10月、ビットメインは、テキサス州のロックデールに「世界最大」のマイニング施設を開設した。1月には、SBIとGMOがドイツのスタートアップ企業「ノーザン・ビットコインAG」子会社のウィンストーンと合意し、同じくテキサス州ロックデールにある同社施設でマイニングを始めると報じられた

北米で仮想通貨マイニングが盛り上がる背景

コア・サイエンティフィックのCCSO(最高消費者サービス責任者)のラッセル・カーン氏は、北米のマイニング施設からのハッシュレートが急増しているという認識を示した。コインテレグラフジャパンの取材に対してカーン氏は、「仮想通貨やデジタル通貨が投資資産クラスとして認められ始めている」ことや「北米地域が投資環境の良い地域であること」を理由にあげた。

カーン氏によると、歴史的に北米地域以外でのマイニング関連の規制は「突然の変更(flip-flopped)」が相次ぎ、投資家にとっては不透明な環境を作り出していた。一方、北米はパワーシステムと土地の所有権周りの規制が安定しているという。

さらに最近の原油価格などエネルギー価格の下落によって北米地域の魅力がさらに増しているという。

「重要なことは、エネルギー価格の崩壊とともに、米国やカナダで電気代の安い地域は、コア・サイエンティフィックなど大手マイナーにとってユニークな機会を提供している」

ただ同氏は、決して中国などのマイニング施設を放棄する流れができているわけではないと強調。投資家は世界的に分散して投資しようとしていると解説した。