12日の仮想通貨相場は全面安の展開となっている。株式市場も日米で急落しており、株式相場の「弱気相場」と連動するかのようにビットコインをはじめとする仮想通貨は下落している。
出典:Coin360 11:35時点
12日未明、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長がコロナウィルスを「パンデミック」と表明。米株式市場ではダウ平均で1464ドル安の大幅下落となり、過去2番目の下げ幅となった。仮想通貨ビットコインも12日未明に急落し、7600ドル近辺まで下落した。
その後、日本時間の朝にかけて7960ドルまで回復していたが、日本時間の午前10時に米国のトランプ大統領がコロナウィルスの感染拡大への対応策を発表。英国を除く欧州からの渡航禁止や中小企業への支援策を打ち出した。
しかし、日経平均株価は一時1000円近く下落。米政府の景気刺激策の不透明感と米株の「弱気相場」入りが影響したとみられている。
8000ドル間近まで上昇したビットコインも再び急落し、足元では7660ドルで取引されている。
「極端な恐怖」ではビットコインも下落
デジタル資産マネジャーを務めるチャールズ・エドワーズ氏は、現在の株式市場とビットコインとの関係について解説している。
エドワーズ氏は、過去3年間のビットコイン価格と、CNNの「恐怖・強欲指数(Fear&Greed Index)」とを比較。この指数が「極端な恐怖」や「極端な強欲」に陥っているときには、ビットコインの価格と相関すると指摘している。次のようにまとめている。
1.市場が極端な強欲にあるとき:投資家はリスクの高い資産に惹かれ、ビットコインのパフォーマンスは株式と相関する。
2.市場が極端な恐怖にさらされているとき:投資家は危険な資産を捨て、ビットコインのパフォーマンスは株式と相関する。
このため、市場がリスクオンの場合、投資家は株式とビットコインの両方から利益を求めようとする一方、リスクが全面化した際には株式市場と連動してしまうと述べている。
エドワーズ氏は、「極端な恐怖と貪欲となっている時には、ビットコインの指標として株式市場に注目するべきだ」と結論付けている。
長期的にはビットコインはポジティブ
エドワーズ氏は、長期的にはビットコインはポジティブだと評価している。
5月に予定されているビットコインの半減期やインドで仮想通貨取引が合法化されるといった「非常に強力なファンダメンタルズ」があるとしている。これに加え、中央銀行への信認低下といったことが広がれば、ビットコインに目を向ける動きも出てくると予想する。
エドワーズ氏はビットコインが「5年以内に10万ドル以上」になるとの予測を打ち出している。