ハーバード大学の経済学者ケネス・ロゴフ氏は6日、米放送局CNBCの番組で「2028年までに、ビットコインの価格は10万ドル(約1058万円)ではなく100ドルになる」と述べた。「ビットコインはマネーロンダリング(資金洗浄)と納税逃れの手段としてだけ価値があった」と厳しい評価をし、「マネロンと脱税の可能性を別にしたら、取引手段としてのビットコインの利用は大変少ない」と続けた。

 欧州刑事警察機構(ユーロポール)は今月、年間55億ドル(約5820億円)が仮想通貨でマネロンされていると示唆した。仮想通貨が犯罪組織に使われているとの懸念により規制を望む声が多くなっている。多くの業界が規制により仮想通貨が社会に広く受け入れられる契機になると見ている。そのため、政府の規制がビットコイン価格を下落させるというロゴフ氏の考えは少数派の意見だ。

 ロゴフ氏のほか、伝統的な金融業界の著名人グループでは著名投資家ウォーレンバフェットの投資会社バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガー副社長が、ビットコインに否定的な意見を述べている。先月開催された年次総会では「ビットコインは愚かで、投資する人には吐き気を感じる」と非難している。