バンコ・サンタンデールがブロックチェーンベースの決済アプリケーションをリリース

バンコ・サンタンデール・イギリスが、ブロックチェーンを利用した送金モバイルアプリケーションをリリースした。銀行家の間では、ブロックチェーンによるコスト削減におけるソリューションの実現に関して長らく争われていたのだが、バンコ・サンタンデールが一歩先を行く形となったのだろうか?

 

サンタンデール・イギリスの、イノベーション技術兼オペレーションズ部取締役、Ed Metzger氏はブルームバーグに次のように寄稿している―

 

「イギリスの銀行がRippleを通じたこういったタイプの決済方法を行い、商業サービスとしてローンチするのは初めてのことです。多くの方が研究室での実験のように実験的な取り組みを行っていますが、ここでの主な違いとしては本当の人間に本当のお金を本当の目的のために送金させる、という点です。私も丁度今朝、スペイン人である妻にスペイン銀行を通じていくらか送金を行ったところです」

 

バンコ・サンタンデールはスペインに本社を置くグローバル・バンクで、そのルーツは遡ること1800年代に始まる。フォーブスはバンコ・サンタンデールを世界で10番目に大きく、ヨーロッパでは2番目に巨大な銀行であると位置づけている。(HSBCに次いで2番目)

 

サンタンデールのブロックチェーンに対する先見の明

 

他の金融機関と同様、バンコ・サンタンデールはブロックチェーン技術を利用してより効率的に送金が行えないかと目をつけており、フィンテック業界における破壊的イノベーションを模索するべく、2014年に早いうちから1億ドルのフィンテック・ベンチャーキャピタル・ファンド、サンタンデール・イノベンチャーズを設立している。

2015年の中頃には、サンタンデール・イノベンチャーズの頭取はビジネス・インサイダーに対しブロックチェーン技術を実装する25あまりのユースケースが見込めると伝えており、具体的には、国際送金、貿易金融、シンジケートローンや、担保管理などが挙げられている。

サンタンデール・イノベンチャーズは、2015年12月にもまた、早期ステージのイノベーターとしてブロックチェーン開発に望むべくその意欲を見せ、ブロックチェーンのはらむ課題に取り組んでいた。そのポートフォリオには、RippleやDigital Asset Holdingsなどが含まれていた。

 

本格的な展開前のパイロット運転

 

バンコ・サンタンデールが導入するモバイルアプリケーションはブロックチェーン技術を利用しており、ユーザーは10ユーロから10,000ユーロまでの資金を送金することができる。6,000人近くの従業員が、現在このパイロットプログラムへのアクセスを許されている。

Metzger氏はフィナンシャル・タイムズに次のように語っている―

 

「明らかに、これは企業として、我々が顧客に対して提供できる範疇を越えた業種です…問題がたくさんあります。国際決済や通常のルートを通してでは顧客は満足しないため、対処すべきことがたくさんあるのです」

 

このアプリケーションはRippleが提供するインフラを利用している。バンコ・サンタンデールはリリースのスケールアップを図り、パイロットプログラムが完成版となった後に全ての顧客がアクセスできるようサービスを展開していくようだ。

 

銀行間での競合

 

銀行間では、特にペイメント業種においてコスト削減が見込める最先端のテクノロジーを導入しようと激しい競争が繰り広げられている。

ロイター通信のAndrew MacAskill氏とHuw Jones氏は次のように書いている―

 

「ブロックチェーンは、ニューヨークやシンガポールと対抗するべくイギリスが後押ししている今急成長中の金融テクノロジーの分野である。サンタンデールや他のCiti、BNP Paribas、ゴールドマン・サックスなどの銀行も、支払い、および取引の清算と決算におけるブロックチェーン導入の激しい競争に引けを取らないように、スタートアップに負けぬよう投資を行っている」

 

シティグループやUBSを含む多くの銀行が現在ブロックチェーン技術導入の方法を模索している一方、バンコ・サンタンデールは既に一歩先をリードする形となったようだ。

一方、ソーシャル・ペイメント・ネットワークであるCircleは、イギリスにおける電子マネー利用のライセンスを取得しており、バークレイズ銀行のインフラを利用したブロックチェーンベースの決済システムを早くからローンチしている。


コインテレグラフジャパンの公式ツイッターをフォロー