検索エンジンとウェブサービスを提供する中国大手企業Baiduが、先日全てのビットコインと暗号通貨関連の広告サービスを禁止した。

今週初めに、中国国家自然化学基金から助成金を受け取った中国メディア、CnLedgerが、8月25日に沈黙を破っている。

 

Baiduが全ての広告 (Paid Search) というキーワードに関連した仮想コインを禁止した。#bitcoin もそれに含まれている。

 

― cnLedger (@cnLedger) 2016年8月25日

 

多くのビットコイン関連のオンラインフォーラムやコミュニティでは、政府がBaiduのような企業に対して圧力をかけ、ビットコインや暗号通貨にとってマイナスな先例を作るだろうということはある程度予想されていたが、今回のBaiduの声明発表は、つい2か月前にビットコインベースの送金アプリケーションを提供しているCircleに投資したばかりであることを考えるとなんとも皮肉である。

 

何故禁止したのか?

 

今回の暗号通貨関連の広告終了について、Baiduの意向は明白にはなっていないが、考えられる理由としては2つ存在する―

 

  1. 自社の検索エンジンとウェブプラットフォームから、多く存在するポンジスキームや詐欺的暗号通貨の広告を一掃したいため。
  2. 政府からの要請で如何なる暗号通貨関連の広告も禁止しなければならなかったため。

 

1つ目の可能性が正しく、Baiduが暗号通貨関連の広告を禁止したのだとすると、自社の広告ネットワークに検閲システムを導入し、いくつかの合法的な広告のみ通過させたいと考えている可能性は非常に有り得る話である。例えば、よく知られているCircle、Bitpay、Coinbaseのようなビットコインプラットフォーム向けの広告において言えば、詐欺的な広告は完全に禁止される一方で、Baiduの管理者によって一部の合法的な広告を有効化する、などということが考えられる。

 

国有暗号通貨のためのスペース作り

 

しかし、もしも中国政府がBaiduに対してすべての暗号通貨関連の広告を排除するようにと圧力をかけていたのだとすると、中国政府としては独立した暗号通貨を検閲し、中国主導の広告や、ブロックチェーンネットワーク、暗号通貨などをプッシュしたいと考えている可能性が高い。

中国の商業銀行はブロックチェーン技術に関する研究を行うために既にコンソーシアムを設立しており、中国の金融業界におけるソリューションを値踏みするための様々なアプリケーションを導入している。つまり、可能性としては低いかもしれないが、2つ目の説も有り得るということである。

中国では、Googleは禁止されておりBaiduが現存する唯一の検索エンジンであるため、暗号通貨関連の広告が一掃されるということは大きな意味があるだろう。