AppleとGoogleがクレジットカード危機に際して自社のウォレットにブロックチェーン導入を検討する可能性

様々な種類のウォレットが今年後半に流行している。ウォレットの中にはAppleやGoogleのような大手IT企業によって提供されているものがある一方、銀行のような金融機関によって提供されているものがあり、PayPalのようなすべてのウォレットビジネスと利害関係を持つ企業もまた存在する。これらウォレットは異なるフォームを以て存在しており、単なる決済アプリとして存在するものから、人々が店舗で買い物をする際に利用可能な非接触型決済技術を採用したものまである。このようなウォレットの根底を支える技術として採用されているものの種類は、QRコードを使うものから、NFC、Wi-Fi、Bluetoothなどを採用したものまで多岐に渡る。

 

決済アプリの増加

 

Vergeによれば、2016年1月時点で利用されていたアクティブなApple端末の数は10億台である。Apple Payに関して言えば、2016年だけでユーザー数が400%の成長を遂げている。Apple Insiderによると、Apple Payでの決済を受け付けている販売所は世界中に1100万店舗存在しており、一方で、Android CentralによればアクティブなAndroid端末は14億台世界に存在している。実際にAndroid Pay (Google Walletを利用できる新たなアバター) をどれだけ多くの人が利用しているのかはっきりとはわからないが、Google Playストアだけを見れば、5000万から5億インストールされていることがわかる

 

脅かされるカード業者たち

 

物理的なカードは、その価値がなくなるまでは素晴らしいものだ。既にインドでは、Googleの親会社であるAlphabetがIdea Cellularとタイアップし、クレジットカードなしで消費者がアプリ決済できるようなサービスを提供しているとCNBCは伝えている。クレジットやデビットカードは多くの発展途上市場における決済アプリ普及の妨げとなっている。クレジットやデビットカードをApple Payに採用しているAppleは、非接触型決済のソリューションを提供している。このため、いくつかの点でAppleは銀行との対立に追いやられており、その一つがセキュリティ面の問題である。2015年3月には、イギリスの新聞メディア、ガーディアンが次のように報じている―

 

「アメリカの犯罪者たちは、新しいApple Payによるモバイル決済システムを使い、高価な商品を―しばしばAppleストアから―盗まれたIDやクレジットカードの情報を利用して購入している」

 

フォーブスが次のように書いているように、他のスティッキング・ポイントとしては手数料の問題がある―

 

「クレジットカードの発行体は、トークン化された生体認証による決済についてはAppleが提供している技術に対する補償金に該当するとして、約15ベーシス・ポイント、つまりApple Payによる決済のうち0.15%の利回りをAppleに対して支払っている。これは消費者にいきわたるのが難しいコストである。つまり、クレジットカード会社がApple Payを売り込むたの動機としては重要ではないのだ。彼らはそれでも支払っているが、しぶしぶに、だ」

 

ブロックチェーンが答えを出す可能性

 

ブロックチェーンのようなP2Pシステムに関してはどうだろう?

全ての決済ソリューションを解決する答えはブロックチェーンにあるのだろうか?Rippleとそのブロックチェーンプロジェクトに対して興味を見せているGoogleやAppleに関しては、いくばくか語る余地があった。Rippleの最高技術責任者、Stefan Thomas氏は、Pymnts.comに対して、これらの企業はさらに詳しく知る必要があるとして次のように語っている―

 

「意見交換をする中で、我々はGoogleやAppleといった企業と衝突し、彼らがカードネットワークに対して明らかに問題を抱えていることに気づきました。そういった意味でInterledgerは本当に良いソリューションです。彼らが詳しくプレゼンをして欲しいとずっと言っている事実からも、興味を持っていることが伺い知れます」

 

同氏はまた、大手の巨大IT企業は”完全にカード発行体を嫌っている”とも語った。

では、P2Pの場合はどうなのだろう?AppleやGoogleの好感を買い、VisaやMastercardの仲介業者をはさむことなく独自の決済システムを導入することは可能なのだろうか?Strength In Numbers FoundationのDavid Duccini氏は次の通りにまとめている―

 

「愚見ではありますが、決済事業者になるということは、アンチ・ブロックチェーンの立場を取ることなのだと思います。私が思う本当の疑問は、いつになれば顧客がより安心して第三者に依存しないP2P決済システムを利用できるようになるのだろうか?ということです。彼らはそれを既に現金で行っているにも関わらずです」

 

多くの中小企業は現金のみでの支払いを好んでいるので、彼らにとってはクレジットカードを採用するということにさえ疑問符がついてしまっても何ら驚きはない。おそらくデジタル・ウォレットメーカーたちは、その実現性を実感する必要があるのだろう!


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