1万ドルを突破した、8日の仮想通貨ビットコインは、午前11時30分現在では大きく下落することなく、1万ドル付近を推移している。アルトコインも軒並み上昇している全面高の展開だが、仮想通貨市場全体に占めるビットコインの占有率「ドミナンス」は68%の高水準を維持している。

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(出典:Coin360 5月8日午前11時25分)

最近の上昇の理由として挙げられるのが、米国など世界各国の中央銀行の財政刺激策だ。しかし、それ以外にもいくつかのマクロ要因が挙げられている。

仮想通貨アナリストのアレックス・クルーガー氏はビットコインの価格上昇の要因として「政府への信頼喪失」、「低金利による投機家のリスク曲線からの押し出し」「実質マイナス金利」「インフレ」の4つの要素を挙げた

クルーガー氏は一部の投資家が政府への信頼を失ったことで、ビットコインを「中央銀行への無期限のリスクヘッジ」とみなしているという。

「信頼の喪失は自明で、政府は失敗したと考える少数の人々に当てはまる。(中略)結局のところ、ビットコインは法定通貨システムの崩壊に対するテールリスクヘッジであり、無期限に中央銀行にかけられている」

さらに投資家が流動性の増加と金利の低下によってリスク曲線から押し出され、ビットコインのようなボラティリティが高い資産に投資家を呼び込んだと主張した。

マイナス金利については「経済危機と中央銀行の行動によって、実質イールドはマイナスの領域に入った。これによって利子がある資産を保有することがコストとなり、金(ゴールド)などの資産がより魅力的に映る。おそらくビットコインも同様だ。少なくともデジタルゴールドと考える人々にとってはね」と指摘した。

同様にインフレは投資家に高利回りの資産を探すことをにつながり、ビットコインに資金が流入したと説明した。

投資家心理も急上昇

実際に投資家心理を示す「仮想通貨の恐怖・強欲指数」は急激に回復している。現在は3月の暴落前や昨年10月の習近平ラリーと同程度の「強欲」を示す55まで上昇している。

投資家心理

(出典:alternative.me