未来においてビットコインがどうなっていくのかは定かではありません。現在、将来のブロックチェーン技術がどうなっていくのか、テクノロジーがどう進化していくのか、多くの専門家たちが議論しています。ビットコインの分野において、たくさんのスタートアップ企業がある中、その多くがまだその応用方法について正解を見出せていません。例えば、5年後、ビットコインやブロックチェーンはどのように発展していくのでしょうか。
分散型web 3.0プラットフォーム、Ethereumの共同創設者であるVitalik Buterin氏は、現在Ethereum 2.0の開発に携わっています。
今回、コインテレグラフは同氏にインタビューを敢行し、話を伺いました。
コインテレグラフ (以下CT): 今日、次世代の仮想通貨というのは最も興味深い問題の一つだと思います。Ethereumやライトコイン、そしてビットコイン以降、どのような新たなイノベーションが生まれるとお考えですか?
Vitalik Buterin氏 (以下VB): 私は、結局のところ、方向性が大事だと考えています。おそらく最も重要なのは、スケーラビリティでしょう。現在は、ブロックチェーンによって、毎秒4から20の取引しか処理することができません。その主な理由としては、ネットワーク上のすべてのノードがそれぞれの取引を処理するために、基本的な制限を設けていることがあげられます。したがって、ネットワークに参加するノードが増えれば増えるほど、パフォーマンスが強化されるBitTorrentなどの他の分散型システムとは異なり、ブロックチェーンの場合はそれが逆に弱まってしまいます。少なくとも取引のスループットの面に関して言えば、参加者が増えれば増えるほど(これはノードごとのパワーがまったく増えてないのに対して、ネットワークが増えることによってレイテンシーが対数的に増えてしまうためです)この問題を解決するためには、主にアプローチが2つ考えられます。
1. ステートチャンネル
2. Sharding―異なるノードごとにそれぞれ別の取引を処理させ、それぞれの取引が小さなサブセットノードによって処理されること。
二つ目は、より強化された暗号方法を記述することを可能にします。既にリンク可能なリング署名に興味を持ち出しているプロジェクトがたくさんあります。
これにより、適度に強力なプライバシープロパテイが提供することが可能になるので、次のステップとしては、ゼロナレッジな分野に手を伸ばし始めるコミュニティが出てくるでしょうし(zk-SNARKsなど)、どのようなメカニズムを要求されてもプライバシーを強固に保たれたサービスを提供できるとなれば、これは驚異的なことです。
単純なプロトコル内(Ethereumの場合であれば、スーパープロトコルになります)における通貨交換などにおいて有用ですが、プライバシーに関するニーズ、金融上の契約や、個人情報や評判などのデータ、マルチシグネチャによる預託システムなどなどを複雑な応用方法が存在します。
CT: そういった新しい機能や特色といったものは仮想通貨が今後成功を収めるうえで必要になってくるのでしょうか?
VB: 特別、仮想通貨に関して言えば、現在新しい仮想通貨が決済業界で本当に成功を収めるためには、既にあるビットコインの前例に優る何らかのアドバンテージは必要になってきます。例えば、“安定した通貨"的アプローチです。例えばドルやSDRなどの揮発性の限りなく低い(もしくはゼロの)資産を別の揮発性の高い資産とプラマイゼロにしてもっておく、などの方法です。
あとはスケールの小さいコインが受け入れられる最良の方法として、より優れた”ユニバーサル・ゲートウェイ”を開発する、という方法があります―これは顧客と売り手がお互いに異なる通貨でやりとりをする際や、両替などをより簡単に行えるようにするサービスです。
“私は、この仮想通貨による顧客と売り手間の支払いインフラは、将来的には、例えば、顧客が払い込みたいSの通貨セットを申告したとして、売り手側は承認したいTの通貨セットを申告したとします、するとこの段階ではSとTにはお互いがWIN-WINになれる中間の交差点的役割があることになります。つまり革新的なこういったアルゴリズムを分散型マーケットで利用することで、最もコストが低くすむ方法で顧客と売り手がやりとりすることが可能になるのです”
CT: スケーラビリティがビットコインの主な課題ということでしたが―これについては、Vitalik氏自身は、どうお考えですか?
VB: これは特別将来的に問題になってくるということではなく、今、現状として問題である、ということに注意すべきです。理由としては、もし私たちが今日スケーラビリティ問題を解決できたとしても、ブロックチェーン取引によるコストを100倍減らすことができれば大体0.04ドルから0.0004ドルぐらいまでに抑えることはできる、という点にあります。
それぐらいのレベルであれば、格安でブロックチェーンをより多くのことに利用することができますし、人々は高水準で信頼の置けるアプリケーションディベロップメントのインフラとしてブロックチェーンを利用し始めるでしょう。
ブロックチェーンベースのEメールを想像してみてください、書くのはとても簡単です、スケーラブルなブロックチェーンがあれば、たったの100コード分多めに書くだけですんでしまうのです。
スケーラビリティと、そして不安定な価格。一般の人々は、支払う前に簡単に価格が上昇したり、二分の一にすぐ価格が落ちたりするような狂ったトークンで支払いを受けたいとは思わないでしょう。
CT: 次世代のブロックチェーンはどのようなアプリケーションに使われるでしょうか?
VB: 長い目で見れば、ブロックチェーンや、分散型のハッシュテーブルを統合したスーパーオペレーティングシステムのような他の分散型テクノロジーのようなものが生まれてくると私は考えています。本質的に、こういったdOS(マイクロソフトのDOSではないですよ)は支払いのような価値の高いもののみならず、日常にごくありふれたよくある多くのウェブアプリケーション用のインフラとして使われるでしょう。ゼロナレッジで、プライバシーを完全に保ったままに、分散型の評価システムを携えた未来のブロックチェーン上で、自由に仕事を探すことなどができるようになるはずです。e-commerceやIoT、そしてきっと全てのものが同様に。