米情報機関の諜報活動を内部告発したエドワード・スノーデン氏は、インタビューの中で、ビットコインの長期的な将来性について懸念を示し、仮想通貨のパブリックブロックチェーンは悪用されやすいと述べた。

 「ブロックスタック・ベルリン18」カンファレンスで開かれた、米シンクタンク「コインセンター」のピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ研究部長とのウェブカムを通じてインタビューで発言した。スノーデン氏は、ビットコインの台帳は「あまりにも公開されすぎている」と述べた。

 「はるかに大きな構造的欠陥、今後長期に及ぶ欠陥が、ビットコインの公開台帳にある」と話した。それでも、13年にサーバーインフラを購入するためにビットコインを使用した「かもしれない」とも付け加えた。

 ビットコインの未来は、今なお議論される注目の話題だ。ネットワーク技術の改良に伴い、ビットコインは再び、ほぼ無料ですぐに使える通貨になっているからだ。

 米ツイッターのジャック・ドーシーCEOは今週、メディアに対して、10年以内にインターネットで使用される単一通貨が出現するだろうと語った。「個人的にはビットコインだと思っている」とドーシーCEOは付け加えた。

 しかし、スノーデン氏から見れば、本当の意味で法定通貨に取って代わるものはまだ出現していないという。大衆に受け入れられると同時に、政府からの支配は受けないバランスの取れたものだ。

 「どのように競合と戦うシステムを設計するかが問題です。世界の消費者が無視できないほど魅力的でありながら、競争を目論む政府から使用を禁止されず、有意義なものとして扱われるシステムが必要です」

 ビットコインだけでなく、アルトコインに対しても質問が投げかけられた。スノーデン氏は、モネロを使用したことがあると認めたが、現在市場に出回っている「もっとも興味深い」アルトコインとしてZCashへの支持を繰り返した。ZCashの「独特な」プライバシー設定がその理由だ。

 ヴァン・ヴァルケンバーグ研究部長は、14日に開かれた将来の仮想通貨規制に関する米議会の公聴会に出席したばかりだ。

 公聴会に出席したヴァン・ヴァルケンバーグ研究部長は、議会内の仮想通貨反対派を前にビットコインの基本的価値を積極的に弁護した。

 「ビットコインの最大の革新はデジタル上での希少性にある」とヴァン・ヴァルケンバーグ研究部長は議員らに対して証言した。

 「希少性があるからこそ、革新的な人々が多様で革新的な目的のために使われる。希少性があり人から人へ譲渡可能なトークンは、貨幣のように使用できる。歴史の中で使われてきた金や貝殻などの貨幣と同じことだ」