コインベースとハッカーワンの取締役であるキャスリン・ハウン氏は、今後数年間にわたり仮想通貨とブロックチェーンの分野が規制されることはないと主張した。テッククランチが5月31日に伝えた。ハウン氏は、31日に米カリフォルニア州で開催された「コード・カンファレンス」の場で仮想通貨規制に関する意見を述べた。

 ハウン氏は、インターネットと仮想通貨を比較し、インターネットの黎明期にインターネットユーザーは単一の規制機関を求めたが、結局それが実現することはなかったと主張した。ハウン氏が言うように、仮想通貨とブロックチェーンはインターネットと同様の展開を見せている。ハウン氏はさらに、1年前に規制が制定されていたとすれば、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)の台頭により、その規制はすでに時代遅れになっていただろうと指摘した。

 スタンフォード大学経営大学院の教授も務めるハウン氏は、規制機関が仮想通貨の仕組みを的確に理解するまで仮想通貨分野に対する規制が敷かれるはずがないと主張した。ハウン氏は「技術がどのように発達するかを見守る」必要があることを強調し、規制を定めるペースが「理解のペースを上回る」べきではないと付け加えた。

 ハウン氏による今回の発言は、コインベースの最高法務・リスク管理責任者であるマイク・レンプレス氏の意見に同調するものだった。レンプレス氏は今年3月に開催された米議会公聴会で、米国の規制システムは現在「健全な革新に害を及ぼしている」と述べた。さらにレンプレス氏は、法律で何が認められているのか、証券、商品、財産、貨幣のいずれかのうちデジタル資産を法律上どのように見なすべきなのかへの理解が欠如していると述べた。