フェイスブックのリブラに関する公聴会の前に、米議会上院の銀行委員会はフェイスブックのデービッド・マーカス氏がオープニングで話す声明を公表した。マーカス氏は、規制に関する全ての懸念事項をクリアにして適切な承認を得られない限りリブラは立ち上げないと述べた。

マーカス氏は、リブラのウォレットを手がけるカリブラ社のCEOで16日と17日に米議会上下院で公聴会に臨む。マーカス氏は、次のように宣言した。

「はっきりさせたい。フェイスブックは完全に規制面での懸念事項に対応し適切な承認を受けるまでリブラを提供しない

またマーカス氏は、リブラは投資ではなく決済目的で発行することを強調。「人々は、株や債券のようにリブラを買わない」し、「配当をもらったり価値を増やしたりすることはない」と述べた。「リブラは現金のように機能する」と続けた。

リブラは価値の安定を図るが、1つの法定通貨に連動するのではなく、複数の通貨バスケットと連動する。マーカス氏は通貨バスケットの中に「米ドル、ポンド、ユーロ、円」が含まれることを明かした。

その上でマーカス氏は、「他のソブリン通貨と競争する意図はなく、金融政策の領域に入ることはない」と述べた。

リブラは巡っては、米下院金融サービス委員会のウォーターズ委員長のように「開発中断」を訴える米議員がいる

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また、将来的に世界の準備通貨としての米ドルに取って代わるのではないかという見方もあり、米トランプ大統領は米ドルがあればリブラやビットコインは必要ないと主張した

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