ビットコインの取引手数料は、去年の夏から三倍に跳ね上がり今も増え続けている。Bitmainの見積もりによれば、約2万の取引における次ブロックの承認に対し、現在35セント以上の手数料がかかっているとのことだ。現在の取引手数料は、約500バイトのトランザクションサイズ辺り、平均15セントである。

非直感的な1バイト辺りのSatoshi、という単位で表しているため少し分かり辛い図式ではあるが、1バイトにつき60 Satoshis以上のレートであれば、現在取引に遅れが出るようなことは起きていない。具体的には、平均500バイトのトランザクションサイズで掛け、1億 Satoshisで割り、単位をBTCに変換すると0.0003 BTCであり、Googleによれば、現在の価格は米国ドルに換算して15セント、ということである。

 

より高い手数料の選択

 

上記のような面倒な計算を毎回取引の際に行いたい人は少ないだろう。したがって多くの場合、かなり割高な、1バイト辺り150 Satoshisもの手数料を支払ったり、取引ごとに平均35セントは支払いをしている人が多いようだ。さらには、デフォルトの手数料の変更や再計算をする場合は、取引所が生産コストを負うことになる。Okcoinなどの大手のサービスプロバイダーの中には高いレートを設定し、取引ごとに0.0005 BTC、または23セントの手数料を取るところもある。

 

取引はさらに高額なものになる

 

ビットコインの取引手数料は、トランザクション容量には上限があるため、去年の夏から三倍に増たことで、企業の中には影響を受けているところもある。最近の例だとAscribeがそうだ。Ascribeはビットコインブロックチェーンを利用した知的財産権を取り扱う企業だが、CEOであるTrent McConaghy氏は、BigchainDBという独自のブロックチェーンを作る必要があったと言い、取引をより高額なものにするビットコインのスケーラビリティの問題があったため、リリースされたのは遡ること2月だった。

McConaghy氏によると、1日に10万の取引を行わなければならない潜在顧客に対しかかる1日辺りのコストは10セントの価格帯で計算すると1万ドルにもなると彼は述べている―

 

「ビットコインブロックチェーンでは、大企業に提供するスループットを制御しきれないと気づいて、その機会を諦めることにしました」

 

ビットコインのスケーラビリティの問題については、長らくその問題の解決が望まれつつ議論が交わされていた。しかし、segwitのリリースがなければまた振り出しに戻ってしまう、とBitmain/Antpool共同創立者、Jihan Wu氏は4月29日のツイートで次のように綴っている―

 

「誰かが・・・この取引手数料を決定するという苦行を甘んじて引き受けなければならないんだ」

 

ツイートはさらにこう続く―「新規のビットコインユーザーはビットコインネットワークの遅さや手数料規約 (wechatグループによる)に困惑していた」

Blockchain.info CEO、Peter Smith氏は3月に、最も人気であるはずのビットコインウォレットが、取引遅延に関する記録的な数の苦情に対処していると苦言を呈している。

手数料は今後も増え続ける可能性が高く、サービスプロバイダーは独自のプライベートブロックチェーンを作ることを強いられている等の現在のブロックチェーンに関する噂が広まるなどして、様々な機会や企業に影響が出ることが予想される。